沼と業が深すぎる

雪男の赤い貴族様に落ちたドドド新規の独り言

映画少年たちで宮舘涼太くんの演じるシュンソクが好きすぎる。

シュンソク、それが彼の名前である。青房のメンバーで喧嘩早く看守にも堂々突っかかる。マル(佐久間)とリョウ(渡辺)と同室。少年刑務所に入った経緯もそれまでの経歴も一切語られていない。声がいい、顔がいい、立ち居振る舞いがいい。しかし彼の最大にしてこの役に唯一与えられた設定は足がとても速いことである。

ほんの数週間前に宮舘くんに落ちたドドド新規が(ジャニオタしてた時期もあって、昔からすのは知ってたし周りのジャニオタさんたちに「絶対アンタはすの好きだよ!!」と言われ続けていたけれどとうとう落ちた。落ちた経緯は長くなるので省略。)少年たちを軽率に観に行ってしまったら沼に落ちた。いや、恋に落ちた。シュンソクに。

恋に落ちてしまった女なのでシュンソクのことばかり考えてしまい「彼が何をしたっていうの!!」と暴走して文字にしてしまった。恋は人を狂わせる。

そして一体何をしたのかという点であるが、主役のジュン(京本)の属する赤房のメンバーですら映画の尺の中で詳細な設定を語られることが無い人物もいたのだから※1、赤房のライバルの青房のメンバーに至っては更に設定は明かされていない。ホスト(阿部)やマル(佐久間)は一体何をしたというのだ。ダイケン(松村)の秀才キャラも上智大学大学院卒・気象予報士世界遺産検定所持の本物の秀才がいるし、ハヤト(森本)がフィギュアの話を看守にするのだって本物のオタクがいるんだよ!!という気持ちになってしまう。素材を活かしてくれ頼む※2。足が速いこと、ラストの皆でブランコの周りで歌うシーンでウインドブレーカーとランニングタイツという恰好をしていることから恐らくシュンソクは陸上をしていた人物。運動場で青房メンバーがシートを敷いて休憩しているところでも一人で走ってるしね。(「お前も女いるのかよ」とイイ声で問いかけたのにそれに対する答えには特に反応せず走り出すところはコミュニケーション取る気が無くてとても好き。)ちなみに舘様は小学生の頃区の大会で短距離の記録を更新した御方なのでここは素材を活かしてる。えらい。ありがとう。

では、そんな陸上少年が何故少年刑務所に入ることになったのか※3。

舞台「少年たち」はこの映画とは別ものだが、「同じ人物が演じてるからそこからつながるような設定を持って来ればいいんじゃないか」というオタクのこじつけをしたい。そうでもしないと情報が全く無いからね。

一昨年の少年たちで舘様が演じていた役が少年刑務所に入った理由が「怒り※4にまかせて親父を殴った」。これは民俗学やら神話のオタクが大好きな「父殺し」のモチーフではないか。ギリシャ神話のオイディプス王に始まり、同じくギリシャ神話の主神ゼウスと父神クロノスとの戦い、メソポタミア神話のアプスーがエンキに滅ぼされる話を彷彿とさせる。舘様は神話の登場人物だね…知ってた※5。また、史実においては父殺しは王権や政権に関わる者の間で起こっている。「叫ぶミイラ」として有名なエジプトのペンタウアー王子が父王のラムセス3世を暗殺したと推測されているように※6 、相続するものが大きい程、そこに骨肉の争いが起こってしまう。一般の市民・農民の家庭であれば父親という存在は一家の大黒柱、重要な稼ぎ手であるため家庭から父親を排除しようとはしないだろう。父親がいなくなることは生活が困窮することを意味しているからである。そしてここで、舘様のパーソナリティーに着目してほしい。SnowMan宮舘涼太の最大の個性、それは貴族キャラ。宮舘涼太という素材を活かす方法で考察をするならば、シュンソクは貴い身分であり何らかの事情があって父親を殴り、少年刑務所に入った。高貴な身分から一転刑務所行き…現代の貴種流離譚という胸アツ展開。足が速い貴族って一体なんなんだというのは考えてはいけない。

しかし昨年の役柄の刑務所に入った理由は「警官を殴った」。陸上少年ということを考えると、こちらの方は筋書きとしては想像がつきやすい。将来有望な陸上選手だったが未成年飲酒や喫煙が警察官に発見されて、選手生命を絶たれることを恐れてパニックに陥りその場を逃げようと警察官を殴った。ダイケン(松村)が様々な要因が重なり教師を刺してしまった時のように、ふとしたことから人を傷つけてしまった。こちらの方がリアリティはある気がする。事件になってしまった為陸上選手として今までのようには活躍できない。もうどうにでもなれと供述も自棄になり、実刑が確定。けれども運動の時間には足が動いてしまい、走ることをやめられない自分に気が付く。そういう心情で「こんな毎日もう我慢できない」「この一瞬さえも俺たちのもの」って歌ってたらつらいきついでも尊い

ストーリーと照らし合わせると後者のイメージの方が祖語がなさそうなのでオタクはこっちで妄想を進めていくことにするね。

脱獄計画までは青房の中でも見せ場が少ない印象があるが、計画では作戦の要。「ウケのいいハヤトが看守の注意を引いているところで鍵を奪う。シュンソクが全ての房の鍵を開けてまわる」。おいおいダイケンこの作戦シュンソク頼みもいいところだぞ、推しの見せ場をありがとう。仲間の数を増やしまくった情報屋と鍵を開けて回ったシュンソクが二大MVPなのは間違いが無い。ジョー(ジェシー)に鍵を渡すところとか自分は大役を果たして犠牲になるけどお前は生きろよって感じの鬼気迫る迫力があってとてもよかった※7。しかも房の鍵を開けて回った後配電盤のところに行ってブレーカーを落とすという指示無しでも動けるできる男ぶり…有能すぎて震える。それに加えて看守に捕まらずに最前線で逃げている人たちに合流する※8。仕事ができるにも程があるだろうが※9。声がいい、顔がいい、立ち居振る舞いがいい。加えて仕事ができるとは。東堂尽八※10を超えているぞこの男。

更に役作りなのか、ロイヤル感を出そうとした自己演出なのかは不明ではあるが全員で食事をするシーンでお箸でほんの少しご飯を食べるシーンがある。宮舘涼太は口にパンパンに食べ物を詰め込んで食べることが過去のアイドル誌で本人と幼馴染の渡辺翔太から語られている※11。なのに!ほんのちょこっとだけ口に運ぶ!!可愛いが天元突破して映画を二回観て二回とも泣いた。

名前以外の設定が明かされていない状態でもオタクをここまで震え上がらせるシュンソクすごくない?尊みがすぎて文字数が2000字を超えたよ。上映期間は終わってしまうのでDVD化したらシュンソクに注目して延々DVD上映会をしたい。ご飯のシーンをエンドレスリピートしたい。

 

 

※1 赤房でも設定が開かされてない人物=情報屋って気持ちだったけど、他人の情報はめちゃくちゃ持ってるけど自分のことは一切明かさないってすごくプロの情報屋みがある…田中樹しゅごい…。

※2 と思ったけど、佐久間がオタクの話をしている相手を後ろから押さえつけようものなら「今盛り上がってるんだよ!!」と佐久間が反撃してくるな…オタク同士のシンパシー、海よりも深いから。

※3 この疑問に対する問いは「この空が青いから」ではないと定義する。

※4 舘様のメンバーカラーは赤。赤色から連想される代表的なイメージの中には「怒り」もあるのでそのあたりも考慮されているのかもしれない。

※5 多分アクロバットとエロスの神である。

※6ちなみにこの叫ぶミイラは他のミイラとあまりにも異なる叫ぶような表情と埋葬方法が特殊だったため長年研究者を悩ませてきたことで有名。

※7 でも死ななかったし怪我もしてない。舘様は自分のことが人間じゃないのかもしれないと疑うほどの健康体で何でもできるロイヤルなので。

※8 逃げている時の「こっちだ!!!」っていうのがイイ声すぎた。看守もシュンソクがイイ声すぎて鼓膜が喜んでしまった(by佐久間)ので追いつけなかったんだと思う。

※9 もしかしたらダイケンは「こいつ仕事できそうだから任せてもいいだろう」って重要な仕事を割り振ったのかもね。いや、ただ足が速かっただけだからというのは分かってますけども。

※10 「登れる上にトークも切れる!更にこの美形!天は俺に三物を与えた!」

※11 「多分みんなが思ってる以上にぱんぱん」本人曰く欲張りなので口にいっぱいものを詰めてしまうらしい。かわいいかよ。